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逗子、葉山、鎌倉、横須賀、横浜市金沢区の在宅医療

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認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤51~薬剤誘発性Drug-Induced Cognitive Impairment
💊 薬剤誘発性認知機能障害😴 ベンゾジアゼピン系薬剤🧠 Dementia Mimics⚠️ 抗コリン作用薬📋 bvFTDとの鑑別🔮 DLB前駆段階📈 MMSE改善 25→30点🌙 Night Eating Syndrome✅ 薬剤漸減で改善🖼️ ドパミントランスポーターシンチ⚡ 脳波異常(高振幅速波)🔄 離脱症状リスク 症例提示(CASE) 現病歴 患者背景 70歳前半の右利き男性。現役の会社社長。1年前から職場で同僚に同じことを何度も聞くようになった。半年前から不眠悪化・食事摂取量減少・意欲低下で出勤しなくなった。家族に言われたことや自分が言ったことを頻繁に忘れるようになり、4カ月前から妻が内服薬を管理するようになった。その後夜間に冷蔵庫や戸棚にある食べ物を探して口にするようになり(night eating)、体重が急増。 初診時現症と神経心理学的検査 意識清明。自分から話すことが全くなく、質問に短く答えるのみ。神経学的診察では応答の小声の傾向があったが、大きく声を出すように指示すると十分に大きな声が出せた。明らかな異常所
23 時間前読了時間: 4分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤50~傍腫瘍性症候群+ Treatable Dementia の鑑別のためにどんな検査を提出すべきか
🧬 傍腫瘍性症候群 (PNS)🧠 CASPR2抗体🧠 VGKC複合体抗体✅ Treatable認知症🫁 肺小細胞癌⚡ 辺縁系脳炎📋 PNS Care Score📋 Graus 2021年診断基準🏥 Morvan症候群💊 ステロイドパルス療法🔍 認知症レッドフラグ📊 可逆性認知症メタ解析🖼️ FDG-PET / SWI🎯 TEA(一過性てんかん性健忘) 傍腫瘍性症候群 症例提示(CASE) 現病歴 患者背景 70歳代の現役会社役員の男性。元来記憶力に自信があった。X年8月頃から数カ月前の出来事を思い出せなくなり、「頭の中をかき回されるような」「ぼーっとするような」症状と両足部の「じんじん」とする疼痛が出現。日々メモをとっても後から見直しても書いた内容を覚えていなかった。3カ月後にA病院を受診。 家族から病歴聴取で、頭部違和感出現時に意識減損と口部自動症を伴っていることが判明。脳波では発作間欠期に右前頭側頭部に棘波→側頭葉てんかんの診断でレベチラセタムが開始・増量されたが発作が抑制されず、半年後に改めて精査目的で入院し
2 日前読了時間: 7分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤47~
この認知症は治療可能(Treatable)です — 早期診断が予後を決定します 亡くなった娘に毎日会っていると言い、15年前に退職した職場に今日も行かなければと繰り返す60歳代の女性。5カ所の病院で「更年期障害」「ヒステリー」と診断されていましたが、実際には自己免疫性辺縁系脳炎(LGI1抗体関連)でした。免疫療法により認知機能は正常域まで回復し、2年後まで再発なく経過しています。 症例の概要 患者は60歳代半ばの女性。半年前よりパニック発作・疲労感・不眠が毎日出現。その後、辻褄の合わない発言(亡き娘に毎日会っている・退職済みの仕事に今日も行く等)が繰り返された。MoCA-J 26/30点と軽度認知機能低下を認め、加速的長期健忘を疑う所見があった。 自己免疫性辺縁系脳炎の診断基準 ※ 本邦ではFDG-PETが困難なため、脳血流SPECT(血流上昇所見)が有用な代替手段となります。また、髄液所見が正常でも自己免疫性辺縁系脳炎を除外してはなりません(髄液に異常が出る割合は約3割程度)。 LGI1-LEの臨床的特徴(頻度) LGI1-LEと抗NMDAR脳
3 日前読了時間: 2分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤49~HIV 脳症(HIV 関連神経認知障害)
🦠HIV感染症🧠HIV脳症📋HAND📋HAD🔬認知機能障害💊HAART✅Treatable認知症⚠️うつ病との鑑別🔍皮質下認知症🖼️白質病変MRI🏥AIDS🩺神経梅毒除外 症例提示(CASE) 現病歴 患者背景 40歳代男性。飲食店勤務。受診4カ月前より特に誘因なく、だるい・やる気が出ない・集中力が続かない症状を自覚し欠勤が増加。前医でうつ病と診断され、SSRI(エスシタロプラム 20 mg)を処方されたが改善なく当院へ転医。 初診時現症 意識清明。発話流暢、失語・構音障害・四肢麻痺・失調・パーキンソニズムなし。礼節・整容は保たれていた。自覚的集中力低下・倦怠感を訴えた一方、自覚的気分の落ち込み・睡眠障害・食欲低下はなく、趣味活動への意欲も保持。返答に非常に時間を要したが、本人は意に介さない様子。 認知機能スクリーニング 診断のポイントと鑑別 MMSEおよびHDS-Rの結果より、認知機能低下に伴う症状と判断。自覚的な気分の落ち込みが目立たず、意欲低下も仕事に限定的であったため、うつ病の診断基準を満たさなかった。...
3 日前読了時間: 4分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤48~大脳アミロイドアンギオパチー関連炎症
🧠 CAA-RI🩸 大脳アミロイドアンギオパチー✅ Treatable認知症⚡ 急性脳症🎵 音楽性幻聴👂 聴覚性保続🔬 CMB 微小出血🔬 皮質表面ヘモジデリン沈着🖼️ FLAIR/DWI/SWI⚠️ TFNE amyloid spells💊 ステロイド大量療法📋 Boston基準 v2.0🔗 ARIA との類似🧬 APOe4 リスク因子 症例提示(CASE) 現病歴 患者背景 60歳代半ばの右利き男性。突然の頭痛と嘔気を自覚し、続いて左耳に綿を詰めたような閉塞感と左手のしびれ感を自覚した後、意識を失って倒れ、全身けいれんを発症。当院へ緊急入院。来院時けいれんは自然頓挫。入院数日後には意識も徐々に回復し、頭痛や嘔気もみられなかった。 初診時現症(神経学的) 脳神経(視野・聴力)正常。運動系・感覚系も正常。しかし以下の特異な症状を認めた: これらの症状は1回数分〜10分程度で繰り返し出現。 検査所見 血算・凝固系正常。生化学で筋逸脱酵素上昇・アンモニア高値。乳酸・ピルビン酸、内分泌・免疫・腫瘍マーカー、各種ウイルス抗原/抗体正
4 日前読了時間: 5分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤47~
「精神疾患」「更年期障害」と誤診された記憶障害— 自己免疫性脳炎(LGI1-LE)を見逃さないために この認知症は治療可能(Treatable)です — 早期診断が予後を決定します 亡くなった娘に毎日会っていると言い、15年前に退職した職場に今日も行かなければと繰り返す60歳代の女性。5カ所の病院で「更年期障害」「ヒステリー」と診断されていましたが、実際には自己免疫性辺縁系脳炎(LGI1抗体関連)でした。免疫療法により認知機能は正常域まで回復し、2年後まで再発なく経過しています。 症例の概要 患者は60歳代半ばの女性。半年前よりパニック発作・疲労感・不眠が毎日出現。その後、辻褄の合わない発言(亡き娘に毎日会っている・退職済みの仕事に今日も行く等)が繰り返された。MoCA-J 26/30点と軽度認知機能低下を認め、加速的長期健忘を疑う所見があった。 自己免疫性辺縁系脳炎の診断基準 ※ 本邦ではFDG-PETが困難なため、脳血流SPECT(血流上昇所見)が有用な代替手段となります。また、髄液所見が正常でも自己免疫性辺縁系脳炎を除外してはなりません(髄
5 日前読了時間: 1分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤46~認知症患者の余命と頻度の高い身体合併症肺炎・転倒・心血管疾患と向き合う在宅ケア
認知症の予後余命身体合併症生存期間誤嚥性肺炎転倒口腔ケアフレイルサルコペニアLewy小体型認知症前頭側頭葉変性症在宅医療訪問診療逗子市 認知症の存在は、それ自体で死亡率を大きく高めます。 特に肺炎が直接死因の第1位であり、これは一般人口と反対の傾向です。 在宅医療の現場では、認知症の疾患別予後・合併症のリスクを理解したうえで、 口腔ケア・誤嚥予防・転倒対策・身体リハビリテーションを 包括的に提供することが患者さんの生存期間と生活の質(QOL)の改善につながります。 認知症の死亡率 疾患別:発症から死亡までの生存期間 認知症の直接死因 なぜ認知症に肺炎が多いのか 口腔衛生の悪化:認知症による口腔ケア不足→口腔内微生物の増加 嚥下障害:認知症に出現しやすい誤嚥→誤嚥性肺炎リスク上昇 移動制限:自立歩行の困難・身体拘束→肺炎リスクをさらに高める 管理面の問題(口腔衛生・体位・栄養)が肺炎発症と密接 認知症に伴いやすい身体合併症 合併症 特徴・メカニズム 在宅での対策 誤嚥性肺炎(最多) 嚥下障害+口腔衛生悪化+移動制限 口腔ケア、食形態調整、嚥
6 日前読了時間: 2分


在宅酸素療法を科学する37~吸入療法COPD・喘息における吸入薬の分類・治療戦略と手技の重要性
喘息やCOPDにおいて、治療の中心は吸入薬である。吸入薬は気管支拡張作用や抗炎症作用を持つ薬剤を局所的に投与できるため、全身性の有害事象を軽減でき安全性が高い。一方で、患者の吸入手技による効果の不安定さには十分注意を払うべきであり、40年間にわたって不適切な吸入手技がはびこっていることが明らかとなっている。 吸入薬の剤形と特徴 剤形 特徴 長所 短所 pMDI 定量噴霧式吸入器 粒子は液体・粒子径は小さめ。加圧式ガスにより定量噴霧。溶液タイプと懸濁液タイプがある 携帯可。緊急時に向く。デバイスはほぼ同じ 噴霧との同調が必要。スペーサー使用を推奨 DPI ドライパウダー吸入器 粒子は粉末・粒子径は大きめ。粉末を自らの呼気により吸い込む。薬剤内蔵タイプと薬剤装填タイプがある 携帯可。同調不要 必要吸気力が存在。デバイスが様々 ネブライザー 粒子は液体。粒子径は種類により異なる。薬液を霧状にし自然呼吸により吸入。ジェット式・超音波式・メッシュ式がある 急性期治療に向く。同調不要 装置が必要。時間がかかる。電力が必要。騒音・振動 吸入薬の薬効分類 喘息治
6 日前読了時間: 3分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤45~「ビタミンB₁欠乏」とWernicke脳症過少診断を防ぎ、命と記憶を救う
ビタミンB₁欠乏Wernicke脳症Korsakoff症候群Treatable認知症アルコール依存症眼球運動障害失調記憶障害医原性高カロリー輸液チアミンサイアミン在宅医療訪問診療逗子市 「立てなくなった」「目の動きがおかしい」「同じことを何度も質問する」―― アルコール依存や栄養不足のある患者さんにこうした症状が現れたとき、 ビタミンB₁欠乏によるWernicke脳症を真っ先に疑ってください。 この疾患は死亡前に診断されるのはわずか約15%という過少診断の代表例であり、 治療の遅れが命と記憶に重大な後遺症をもたらします。 Wernicke脳症とは Wernicke脳症はビタミンB₁(チアミン)欠乏によって引き起こされる急性〜亜急性の神経症候群です。 ビタミンB₁は糖代謝に関わる補酵素として機能し、 欠乏するとクエン酸回路とペントースリン酸回路での障害が生じ、 血管性浮腫と細胞毒性浮腫による脳障害が発生します。 Wernicke脳症の「3徴候」 ビタミンB₁欠乏を起こす背景 診断のポイント EFNSガイドライン(2010年)の診断基準...
7 日前読了時間: 2分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤44~「進行性多巣性白質脳症(PML)」とは?免疫抑制患者の亜急性認知症を見逃さない
進行性多巣性白質脳症PMLJCウイルスTreatable認知症免疫抑制ナタリズマブフィンゴリモドIRIS亜急性脳症高次脳機能障害PCR検査超高感度PCR在宅医療訪問診療逗子市 「漢字が書けなくなった」「道に迷うようになった」「計算が面倒になった」―― こうした亜急性の認知機能低下の背景に、 進行性多巣性白質脳症(PML)が隠れている場合があります。 PMLは免疫抑制を背景にJCウイルスが再活性化して発症する希少感染症ですが、 免疫抑制薬・生物学的製剤を使用する患者が増加した現代、 在宅医療の現場でも知っておくべき重要疾患です。 PMLとは―JCウイルスによる脱髄疾患 PMLは免疫不全を背景にJCウイルス(JCV)が再活性化し、 オリゴデンドロサイト(髄鞘を形成する細胞)に感染して 中枢神経において多発性脱髄病変を引き起こす希少感染症です。 病変部位に応じて多様な神経巣症状を引き起こしますが、 特に認知機能障害・運動障害・発話障害の頻度が高く、 これらが亜急性に進行し、自然経過では失外套症候群へ至ります。 PMLを疑うべきリスク因子 PMLの主
6月9日読了時間: 2分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤43~「多発性硬化症(MS)」と認知機能低下行動異常・カタトニアの背景に潜む神経免疫疾患
「最近、仕事を無断欠勤するようになった」「理由もなく車の査定を依頼した」―― こうした急性の行動異常・脱抑制・カタトニアの背景に、 多発性硬化症(MS)の再発が隠れていることがあります。 MSは再発を繰り返しながら認知機能低下が進行するTreatable(治療可能)な神経免疫疾患で、 適切な疾患修飾薬(DMD)の選択と早期治療介入が予後を左右します。 多発性硬化症(MS)とは MSは中枢神経系(脳・脊髄・視神経)の脱髄と炎症を繰り返す自己免疫疾患です。 進行形式により3型に分類されますが、いずれも経過とともに緩徐に認知機能低下が進行します。 MSの認知機能障害 MSでよくみられる認知機能障害は、 アルツハイマー病とは異なるパターンを示します。 MSの鑑別診断 空間的・時間的多発性を示す疾患はMS以外にも存在します。 特に以下の神経免疫疾患は治療が異なるため、厳密な鑑別が重要です。 MSの治療(疾患修飾薬:DMD) 薬剤 分類 特徴・注意点 インターフェロンβ 第一世代DMD 再発回数・MRI病変を軽減。本症例ではインターフェロンβで疾患活動性
6月8日読了時間: 2分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤42~「髄膜腫」を年のせいにしない治療で認知機能が回復できる脳腫瘍
「最近、左手足が弱くなってきた」「忘れっぽくなった」―― こうした変化を「年のせい」「老化」と見過ごしていませんか? 背景に髄膜腫(Meningioma)が潜んでいる場合があります。 髄膜腫は原発性脳腫瘍の約30〜40%を占める最多の脳腫瘍で、 多くは外科的摘出で認知機能の回復が期待できる「治療できる脳腫瘍」です。 髄膜腫とは 髄膜腫は硬膜(脳を覆う膜)から発生する腫瘍で、 主に頭蓋底・大脳鎌・円蓋部・硬膜反転部に好発します。 認知機能障害の程度は腫瘍の局在・大きさ・周囲の脳浮腫の程度によって異なります。 特に前頭葉・側頭葉の髄膜腫は他の部位と比較して認知機能への影響が大きいとされています。 症状は徐々に進行することが多く、 「年のせい」として放置されやすいことが髄膜腫の最大の落とし穴です。 WHO分類によるグレーディング 髄膜腫の主な症状(局在による違い) 髄膜腫による認知機能障害は、記憶・注意・遂行機能の障害が多くみられます。 前頭葉・側頭葉の髄膜腫は認知機能への影響が特に大きいです。 髄膜腫のMRI特徴的所見 術後の認知機能回復アウトカ
6月7日読了時間: 2分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤42~中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)」とは?急性認知症・多発脳腫瘍の鑑別に必須
中枢神経系原発悪性リンパ腫PCNSL脳腫瘍Treatable認知症悪性リンパ腫DLBCLR-MPV療法メトトレキサート脳生検認知機能低下在宅医療訪問診療逗子市 「急に話がかみ合わない」「危ない運転をするようになった」「急速に物忘れが進んでいる」―― こうした急性〜亜急性の認知機能低下の背景に、 中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)が隠れていることがあります。 早期に診断して適切な化学療法を開始すれば、MMSEが正常化するほどの改善が期待できる 「治療できる認知症・脳腫瘍」です。 PCNSLとは PCNSLは、診断時に中枢神経系外に病巣を認めない節外性リンパ腫です。 脳・脊髄・眼・髄膜などに発生し、95%以上が非Hodgkinリンパ腫でB細胞由来(主にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫:DLBCL)です。 主な症状と発症パターン PCNSLの症状は病変の局在により多彩で、発症パターンも様々です。 「認知症様症状」で発症することが少なくなく、見逃されやすい疾患です。 診断のポイント 頭部MRIの特徴的所見 診断の手順 治療 治療法 内容 特徴・
6月6日読了時間: 2分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤41~神経梅毒」を見逃すな増加する梅毒と治療できる認知症― 慢性進行性の認知症・歩行障害の鑑別に必須の疾患 ―
「認知症が進んできた」「歩けなくなってきた」――その原因が 梅毒トレポネーマの感染による神経梅毒であれば、 ペニシリンGの大量静注療法で認知機能の改善が期待できます。 近年、日本でも梅毒感染者が急増しており、高齢者の認知症鑑別として 「神経梅毒」を必ず念頭に置くことが重要です。 梅毒感染症の現状(急増中) 梅毒感染症は世界的にも増加が指摘されています。 かつては「過去の病気」と思われがちでしたが、 高齢者の認知症・水頭症として発症する神経梅毒は今なお見逃されやすく、 「治療できる認知症(Treatable dementia)」として鑑別診断に必須です。 神経梅毒の分類 タイプ 臨床症状 病理 CSF細胞数 脳画像 Ⅰ 無症候性 無症候。CSF異常のみ 軟膜髄膜炎、血管炎、脳炎 <5 / >5 正常〜髄膜肥厚 Ⅱ 髄膜・血管型 (びまん性) 頭蓋内圧上昇、脳神経障害 軟膜髄膜炎、水頭症 >5 髄膜の造影所見 (巣状) 頭蓋内圧上昇、慢性発症の巣症状 肉芽腫 多様 占拠性病変 (脳血管障害) 急性発症の巣症状 脳梗塞を伴う血管炎 多様 梗塞 (脊
6月5日読了時間: 2分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤40~「正常圧水頭症(NPH)」とは?歩行・排尿・認知の三徴候を見逃さない
「最近、歩くのが遅くなった」「おもらしが増えた」「ぼーっとしている時間が多い」―― こうした3つの症状が重なったとき、正常圧水頭症(NPH)を疑ってください。 シャント手術で症状が改善する「治療できる認知症」の代表的疾患であり、 早期発見・早期治療が予後を大きく左右します。 正常圧水頭症(NPH)とは NPHは、脳脊髄液の過剰な貯留により脳室が拡大し、 歩行障害・認知機能障害・排尿障害の三徴候を呈する疾患です。 「正常圧」とあるように、髄液圧は正常範囲内(通常は12 cmH₂O以下)であることが特徴です。 原因が特定されない特発性NPH(iNPH)は60歳以上の高齢者に多く、 くも膜下出血・髄膜炎・頭部外傷などが原因となる二次性NPHもあります。 iNPHはシャント造設術(髄液を腹腔や心房に排出する手術)により症状の改善が期待でき、 「Treatable(治療可能)な認知症」の代表として重要です。 三徴候の特徴 iNPHの認知機能障害の特徴 ―アルツハイマー病との違い 項目 iNPH アルツハイマー病 精神運動速度の低下 目立つ(早期から)
6月4日読了時間: 2分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤39~慢性硬膜下血腫(CSDH)」とは?治療で回復できる認知機能低下を見逃さない
「最近、言葉が出にくい」「ぼーっとしている」「急に歩き方がおかしくなった」―― こうした変化を"認知症のはじまり"と見過ごしてしまうことがあります。 しかし、原因が慢性硬膜下血腫(CSDH)であれば、 適切な治療で症状が劇的に改善する「Treatable(治療可能)な認知症」です。 在宅医療の現場でも必ず念頭に置くべき重要疾患を解説します。 慢性硬膜下血腫(CSDH)とは CSDHは、頭部への外傷から数週間〜数カ月後に 硬膜(脳を覆う膜)の内側に血液がゆっくりと貯留する疾患です。 多くは軽微な頭部外傷がきっかけですが、本人が転倒に気づいていない場合や、 外傷歴がはっきりしないケースも少なくありません。 血腫が大きくなるにつれて脳が圧迫され、認知機能低下・歩行障害・片麻痺・頭痛などを呈します。 しかし手術(穿頭ドレナージ)で血腫を除去すると、劇的に症状が改善することも多く、 「治療できる認知症」として重要です。 疫学・リスク因子 CSDHは特に高齢者に多く、人口の高齢化とともに増加しています。 主な症状と認知機能への影響 CSDHにおける認知機
6月3日読了時間: 3分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤37~「隠れ脳梗塞」と言われていたのに認知症が進行 — HDLS/ALSPという成人発症白質脳症を知る
隠れ脳梗塞」と言われていたのに認知症が進行— HDLS/ALSPという成人発症白質脳症を知る さくら在宅クリニック(逗子市)神奈川県逗子市 5年前の脳ドックで「深部白質に隠れ脳梗塞あり」と言われ、その後じわじわと言葉が出なくなり、仕事を辞めざるを得なくなった40歳代の女性。その背景に「HDLS/ALSP」という、ミクログリアの機能異常が本質的な病態である遺伝性白質脳症が潜んでいました。 症例の概要 患者は40歳代半ばの女性。5年前の脳ドックで深部白質に「隠れ脳梗塞」を指摘。2年前から喚語困難・精神運動速度遅延が進行し、最近退職。アパシー(ぼーっとテレビを観る時間が増加)も目立っていた。 HDLS/ALSPとはどんな病気か HDLS(hereditary diffuse leukoencephalopathy with axonal spheroids)またはALSP(adult-onset leukoencephalopathy with axonal spheroids and pigmented glia)は、CSF1R遺伝子のヘテロ接合性変
6月1日読了時間: 2分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤35~静的脳症」の子が成人で急速に悪化したら— NBIA・SENDAという希少難病を知る
在宅医療さくら在宅クリニック逗子市NBIASENDA脳内鉄沈着神経変性症WDR45遺伝子若年性認知症二相性神経変性希少難病 「静的脳症」の子が成人で急速に悪化したら— NBIA・SENDAという希少難病を知る 子どもの頃からてんかんと知的障害があり、「非進行性の発達障害」として経過していた女性が、30歳代から急速にパーキンソニズム・認知機能低下が進行。この「二相性経過」が希少難病「SENDA(NBIAの一亜型)」の典型的な姿でした。MRIの特徴的な所見と遺伝子解析が診断の決め手となりました。 症例の概要 患者は来院時40歳代前半の女性。1歳7か月時にてんかん発作で受診し抗てんかん薬を開始。3歳時に簡単な意思疎通は可能だったが2語文以上は困難で、養護学校→授産所と経過。30歳から易怒性・場所の見当識障害が出現し、35歳で発語減少・動作緩慢、40歳前から歩行全介助となり来院。 SENDAに特徴的な「二相性経過」 NBIAの主要病型と画像所見の比較 疾患名 責任遺伝子 発症時期 特徴的なMRI所見 その他の特徴 PKAN(NBIA1) PANK2
5月30日読了時間: 2分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤34~舞踏運動+小脳失調+認知症が重なったら— 日本に多い遺伝性難病「DRPLA」を知る
在宅医療さくら在宅クリニック逗子市DRPLA歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症若年性認知症小脳失調舞踏運動遺伝性神経疾患指定難病 舞踏運動+小脳失調+認知症が重なったら— 日本に多い遺伝性難病「DRPLA」を知る 症例の概要 患者は60歳代の女性。40歳代初めに「あとをつけられる」妄想が出現し職場退職。40歳代半ばに歩行困難・不随意運動・構音障害が加わり、受診時には舞踏運動・小脳失調・失見当識・認知症(MMSE 13/30)が明らかでした。 DRPLAとはどんな病気か DRPLAはATN1(Atrophin-1)遺伝子のCAGリピートの異常伸長によって発症する常染色体顕性遺伝の小脳性運動失調症です。歯状核・赤核・淡蒼球・ルイ体(視床下核)が主に変性します。日本の有病率は10万人中0.48人と推定されており、欧米より日本人に多い疾患です。 指定難病(脊髄小脳変性症)として医療費助成の対象 発症年齢による3つの病型 MRI画像所見の特徴 認知機能障害の特徴 DRPLAの認知機能低下は進行性で、疾患末期には高度の認知症を呈します。失語・失行・失認などの大脳皮
5月29日読了時間: 2分


認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤32~若くして秃頭・腰痛・認知症が重なったら— CADASILの"劣性版"、CADASILを疑う
症例の概要 患者は30歳代前半の男性。10歳代半ばから急性腰痛が出現し、同時期にびまん性秃頭が始まりました。21歳時に腰痛が急性増悪し、L4硬膜内腫瘤切除術(神経鞘腫疑い)を受けました。20歳代半ばに歩容異常・構音障害・四肢腱反射亢進が出現。30歳代初めにめまいや脱力などの脳卒中発作を繰り返し、大学病院神経内科に転医しました。 両親はいとこ婚。父に秃頭、母は60歳代後半で死亡(脳卒中)、3歳上の兄も同様の病状でした。血圧正常、糖尿病・脂質異常の既往なし。 CADASILとはどんな病気か CADASILは「皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体劣性遺伝性脳動脈症」の略称です。CADASILの"劣性版"にあたり、責任遺伝子はHTRA1(10q25)です。HTRA1はセリンプロテアーゼの一種で、TGF-βシグナルの制御に関与しており、この変異により脳の細動脈に内膜肥厚などの血管病変が生じます。 本疾患概念は日本の臨床–遺伝学的研究によって世界に先駆けて確立されました。近親婚の家族歴、若年性秃頭・腰痛・脊椎疾患の組み合わせが診断の重要な手がかりとなります。
5月27日読了時間: 2分
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